今回はアジャイル開発で最もポピュラーなメソッドであるスクラムを紹介することを試みます。スクラムの概論は数あるサイトにて見つけることができると思います、このサイトでは、何回かに分けて実技から入っていきましょう。
まずはどのチームでもすぐに導入できるデイリースクラムミーティングを紹介します。
忌野清志郎/君が僕を知ってる
「ミーティングなんて言ってるようじゃダメなんだよ。普通に集まってさ、普通にワイワイ言ってることが大事だと思うんだよな、俺は。そういうことじゃない? 夫婦とかもさ。友達とかも。」
デイリースクラムミーティングとは
1.前回のスクラム以降何を行ったか
2.次回のスクラムまでの間何をするか
3.作業をする上で何が障害となっているか
報告はお互いの顔を見ながら行います。

全体で15分程度、チーム全員が参加し、一人ずつ報告し全員が聞き、チームを妨害している要因を洗い出し、すべてを見える化し、スクラム開発が機能するようにします。
デイリースクラム後のフォローアップミーティング
3つの質問だけでは状況がつかめず議論が必要な場合、 フォローアップミーティングを開催します。
「スクラムの後でこの問題について話をしたい、関心がある方は残ってほしい」
必ずデイリースクラムの後に行います。
アジャイルのすべてのメソッドについてとても大事なことは、例えばこのデイリースクラムミーティングを開催するかどうかについても、「チームが自分達自身で決める」ということです。
スクラムマスターの役割
・スクラムマスターはミーティングを適切に進めます。
・スクラムマスターはミーティングの場所と時間を設定します。
・チームメンバーは時間通りに行動します。
・スクラムマスターはメ ンバーが出席しているかどうかに関わらず、予定の時刻にミーティングを開始します。
・遅刻したメンバーはスクラムマスターにすぐに1ドルを支払います。
・優秀なスクラムマスターはミーティングが始まる前に椅子を机の周りに並べておきます。
スクラムマスターは、チームが自分達自身で問題を解決できることを支援します。
デイリースクラムでの障害の識別、判断
スクラムマスターはその障害を記録し、取り除く責任があります。
デイリースクラムミーティングでのチームの報告例:
「サーバー、ネットワークが遅い、落ちる」
「管理者に他の作業を頼まれてしまった」
「どのようにして先に進んだらよいかわからない」
「設計上の判断が下せない」
効率よく作業を行う妨げが何かをチームメンバーが見極めたらスクラムマスターは障害をホワイトボードに書き留めます。
スクラムマスターが障害を理解できない場合、 ミーティング後に発言した人と会って学習します。
未解決の障害がホワイトボードに溢れてきたら、それは 上位組織がチームをサポートしていないことを示します。この場合、スクラムマスターはスプリントをキャンセルする強力な切り札をきることができますが、その前に管理者のサポートの欠如がもたらす結果について慎重にかつ熱心に議論する必要が有ります。
コミットメントを達成する為の判断をチームが下せない場合、スクラムマスターはなるべくその場で判断を下します。
その場で判断を下せない場合、スクラムマスターはミーティング後1時間以内に判断を下し全員に周知します。
デイリースクラムミーティングの規則について12のこと
1.チームメンバーの数に関わらず、15分のタイムボックスで行われる。
2.毎日同じ時間かつ同じ場所で行う。日次スクラムは一日の始まりに行うのが最適である。こうすると、チームメンバーは職場に到着するとまず前日に行った作業とその日に行う作業を考えるようになる。
3.チームメンバーは全員出席する必要が有る。何らかの理由で参加できない場合は電話で報告するか、別のメンバーに自分の状況を報告させるような形で参加する必要が有る。
4.チームメンバーは時間通りに行動しなければならない。スクラムマスターはメンバーが出席しているかどうかに関わらず、予定の時刻にミーティングを開始する。遅刻したメン バーはスクラムマスターにすぐに1ドルを支払う。
5.各チームメンバーは3つの質問にだけ答える。 このプロジェクトに対して、前回の日次スクラム以降何をしたか、このプロジェクトに対して、今から次の日次スクラムまでに何を行う予定か、作業を出来るだけ効率的に行うことを妨げていることはあるか。
6.チームメンバーはこれらの質問以外の、懸案、設計、問題の議論、ゴシップなどの議論へ外れてはいけない。スクラムマスターは責任を持って、各人の報告をテキパキと進める。
7.日次スクラムの間は一度に一人だけが話すことが出来る。その一人とは、自分の状況を報告している人である。他の人はその報告を聞き、別の会話をしてはならない。
8.あるチームメンバーが他のチームメンバーに関心がある報告を行ったり、他のチームのサポートを必要としたりするときは、日次スクラムの後に集まって、関心のあるメンバー間ですぐに調整を行うことが出来る。
9.「ニワトリ」は会話や観察や拒否反応など、日次スクラムにおいて自分の存在を目立たせるようなことを行うことは出来ない。
10.ミーティングに参加している「ニワトリ」が多すぎる場合、スクラムマスターはミーティングを順序よく集中的に進行する為に、出席者を制限できる。
11.「ニワトリ」は、ミーティングの後で報告内容を確認したり、アドバイスや指示を行ったりする為にチームメンバーと話すことは出来ない。
12.上記の規則に従うことが出来ない「ブタ」や「ニワトリ」は、ミーティングから退席させられる(ニワトリ)か、チームから外される(ブタ)
スクラムが機能するのは、頻繁なインスペクションと適応に対してすべてのことが目に見えるようになる場合だけ。スプリントの間はチームの邪魔をしない。スクラムマスターは意味のある精度で、すべてのことを可視化します。
物事を解決する第一歩は、明らかにすることです。
次回に続きます。